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組み込み技術キャンパスOJTとは?

概要

「組み込み技術キャンパスOJT」は、主に情報学群(情報科学類、情報メディア創成学類、知識情報・図書館学類)の3年次(過年度を含む)を対象とし、ソフトウェアとハードウェアの2つのコースに分かれて開講しています。インストラクターの講義や直接指導を行うとともにTAがサポートします。インストラクターは、それぞれの分野におけるエキスパートであり、受講生はその経験とスキルを十分に体験し、学習することができます。

以下は、2019年度(第11期)に実施した各コースの概要です。

コース名(学期,定員) 概要
ハードウェアコース
(春ABC・秋ABC,12人)
 春学期は「映像信号の入出力」をテーマに、基本的なハードウェア記述言語の記述方法を学んだ後、ディスプレイに映像を出力するための表示回路と、カメラから映像を取り込むためのキャプチャ回路を構築し、基礎を固めます。秋学期は「グラフィックスLSIとSoC設計」をテーマに、映像信号の加工やテクスチャの描画を行うグラフィックスLSIの設計を行い、最終的にはそれらを用いて各自がオリジナルの組み込みシステムを提案し、プレゼンテーションを行うことで、実社会で通用する応用力を身につけます。
ソフトウェアコース
(春ABC・秋ABC,12人)
 組み込み機器においても視覚によるユーザインターフェースの重要性は増し、Web技術も肝要な技術となってきました。授業では、視覚デザインの基礎を学びながら、HTML5の基礎的な文法やDOM構造から主要なJavaScript API、WebGL、Node.jsを用いる実習を行います。さらに「ネットに繋がる触れるおもちゃ」をいわゆるIoTデバイス(超小型コンピュータ)にセンサやモータ、アクチュエータ等を組み合わせて制作します。各自が一通り必要なことを網羅し、企画~作品制作~発表を通して社会で活用できる実務を実践します。

単位認定

受講者は、情報科学類(主専攻実験A・B)、情報メディア創成学類(情報メディア実験A・B)もしくは知識情報・図書館学類(体験型システム開発A・B)が取得できます。尚、単位は他の実験と同じ基準によって認定されます。

履修要件

各コースのそれぞれにおいて、エントリーシート(スキル調査表・自己推薦文)による適性評価と面接によって選抜を行います。情報科学類では、ハードウェア関連教育がある一方で、情報メディア創成学類および知識情報・図書館学類ではソフトウェア関連教育が主となっていますが、原則としてC, C++, JAVA等でプログラミングの基礎が十分に習得されており、興味と熱意がある学生であれば、いずれのコースも出願できます。

情報学群における実践的ET・IT教育のあゆみ

組み込み技術(ET;Embedded Technology)は、日本が育み世界市場で先導的役割を果たしている重要な情報技術の一つですが、近年、経済および産業界からは、ETにおける技術者の不足が指摘されています。本分野において更なる教育効果の向上をめざすためには、学群教育(他大学では、学部教育に相当)の充実が不可欠となります。

この観点から、平成21年4月より筑波大学情報学群(対象:情報科学類・情報メディア創成学類3年)は、先端ITベンチャー企業との連携によるET技術者養成教育プログラム「組み込み技術キャンパスOJT」(OJT;On the Job Training,職場での実務による教育訓練)を開講しました。

平成22年には筑波大学学長表彰受賞、平成27年から知識情報・図書館学類の参加、在校生の就職支援と卒業生の情報交換の場としてOB会「興隆会」を創設しました。また、同年には、IoT(Internet of Things)分野における教育効果を高めるために3Dプリンターおよびレーザー加工機を導入した機能複合型多目的実習室「openfab創房」を新設しています。

ご協力頂けるパートナー企業も順調に増加し、2021年度の第13期をもって育成した若手技術者は313名となります。これら13年間の実績を基盤にして、さらに教育の質と量の向上を目指しております。

その一環として,2013年度から大学院学生を対象に文部科学省「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成(enPiT)」事業に、筑波大学情報学群が8つの大学と共同で申請した「ICT を活用する IoT 時代のイノベーション人材育成のためのビジネスアプリケーション/システムデザイン実践教育ネットワーク」が採択され、2016年度より学類教育にも拡充し実施しています。

これは、これまで着実な成果を上げている「組込技術キャンパスOJT」の知見と実績を踏まえ、これからの社会ニーズに応えるICTを活用したアプリケーションやシステムをPBL(Project Based Learning)形式で少人数の学生グループが自律的に開発することを主体とした実践的なカリキュラムをより広く実施していくものです。

組み込み技術とその市場

 近年“DX(デジタルトランスフォーメーション)”という言葉をいろいろなところで聞くようになりました。少し前には、“IoT”や“M2M”という言葉が流行っていましたが、インターネットにつながるモノ(IoT)がデジタルテクノロジーの進化に伴い身近に溢れるようになり、続々と新しい製品・サービス、ビジネスモデルが誕生し、人々の生活をより良いもへ変革する期待感が高まったからだと思います。DXはIoTで集められたデータを活用したり、分析結果をIoTでフィードバックすることで、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすものです。DXの基本要素である物理インターフェースを担うIoTと言われる機器は、以前から“組み込み技術”と言われる技術を用いて開発されている“組み込み機器”の一つです。組み込み機器とは「内蔵されたコンピュータに特定のアプリケーションに特化した処理を行わせる電子装置」の事で、テレビ、冷蔵庫、炊飯器、扇風機などの生活家電をはじめ、自販機、工作機器、自動車など幅広い分野の身近な機器も含み、センサからのデータ取得、エッジ側でのデータ処理並びにクラウドとの通信、アクチュエータやUIでのフィードバックを行います。急速にその適用分野が広がっています。
 近年の組み込み機器は、安いだけではなく格好良く機能性の高いデザインやクラウドコンピューティングを利用した質の高いサービスを提供するモノが市場競争に勝つようになりました。かつて日本は卓越した“組み込み技術”により優れた組み込み機器を作り出していましたが、現時点ではデザインやサービス、クラウドコンピューティング、データ利活用と言った点で出遅れ感が否めません。

 変化する市場からの様々な要求に応える製品を開発する人材を育成するため「組み込み技術キャンパスOJT」では、キーデバイス開発技術のコアとなる半導体設計技術をはじめ、組み込み機器でのUI/UX技術やWeb技術との連携等の教育を早くから行っています。これからも広い意味での組み込み技術を身に着けた優秀なDX時代のエンジニア/クリエータを育成すべく、これからの市場に合った組み込み技術を実践的に習得するカリキュラムを提供します。

組み込み技術とその市場

総合案内

お問い合わせ先

筑波大学図書館情報エリア支援室 学群教務 組み込み技術キャンパスOJT
e-mail:gakumu-k@ml.cc.tsukuba.ac.jp 電話:029-(859)-1053

商標登録第5296762号

標準文字"キャンパスOJT"は、キャンパスOJT型産学連携教育推進財団と国立大学法人筑波大学の登録商標です。

パンフレット・リーフレット

 
キャンパスOJT
 
openfab創房