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筑波大学からのメッセージ

学内でインターンシップ!

昨今、在学中の就業体験として、企業等におけるインターンシップの重要性が盛んに語られています。通常、インターンシップは学生が一定期間企業に出向いて行うため、夏季休業中など授業がない期間に実施するのが普通です。本キャンパスOJTは、組み込み技術に関する講師を企業から招くことで、通常の授業期間に学内キャンパスにいながらにしてOJTの経験をすることができる、いわば「学内でのインターンシップ」を可能にした画期的なプログラムです。

組み込み技術は、情報機器の根幹をなす重要なものであるにもかかわらず、日進月歩で進化するハードウェアとソフトウェアに密接に関連するため、常に最新の開発装置や技術動向に対応した環境で実習することが不可欠です。本プログラムの講師陣は企業の第一線で活躍されているエンジニアで構成されており、現場での開発の一端を垣間見ることもできるでしょう。

一人でも多くの学生が、このチャンスを活かし、実社会に出る前の貴重な経験を積んでくれることを期待しています。

21世紀の『もの』の創造者になろう

情報学群長 中山 伸一

筑波大学 情報学群
情報学群長 中山 伸一

情報学群は、「21世紀の創造を担う人材」を養成することを人材養成目標として掲げております。20世紀は大量生産、大量消費が行われ、利用者が『もの』に使われる時代でした。それに対して、21世紀は消費者が主役の時代と考えられます。そのような時代の『もの』は多種多様であり、それらを作り出す技術者には、一般的で画一的な発想にもとづく思考ではなく、個性の違いにもとづく独創的で創造的な思考が常に要求されます。

「組込み技術キャンパスOJT」で実施している教育プログラムは、ソフトウェアコースとハードウェアコースに分かれていますが、その根本にものづくりの視点があります。そして本プログラムを受講した学生は、その実践の中で自分が思い描いた『もの』をつくりあげるという醍醐味を味わうことができます。さらにその実現の過程の中で、独創的なアイデアを入れることができると、さらに高い満足感が得られることでしょう。

本プログラムは産学連携の教育プログラムとして2008年に開講して以来、多くの企業の方々に支えられて、多数の若手技術者を養成してきました。今年度も、多くの意欲溢れる学生が本プログラムにチャレンジされることを期待しております。

チャレンジ

情報科学類長 伊藤 誠

筑波大学情報学群 情報科学類
情報科学類長 伊藤 誠

「何か凄そう」、「ちょっと怖そう」、「自分には無理そう。。。」。このキャンパスOJTの案内資料・ウェブサイトを見た人の中には、企業の第一線で活躍されている講師陣や、プログラムの内容をみて尻込みをしてしまう人もいるかもしれません。実際、最初に私がキャンパスOJTのことを知ったとき、「私が学生だったときこのプログラムがあったとしたら、おそらく私は怖くて近寄れなかっただろう」と感じました。それぐらい凄いプログラムで、まれにみる素晴らしい講師陣とおもいます。

しかし恐れてはいけません。「若いときの苦労は買ってでもすべき」もの。ましてや、これだけの先生方から密な指導をいただける機会は、この先数十年にわたる社会人人生の中でもほとんどないと言ってよいでしょう。企業に入ってからでは、外部の方に教えを乞いたくてもセキュリティもしくはコンプライアンス上無理だったり、可能だとしても莫大な費用がかかったりします。学生の皆さんにとっては大いなるチャンスです。

一歩を踏み出すのは今しかありません。多くの学生の皆さんのチャレンジを期待します。

OJTで実践力の効率的な養成を!

情報メディア創成学類長 河辺 徹

筑波大学情報学群 情報メディア創成学類
情報メディア創成学類長 河辺 徹

従来の大学教育は、いわゆるOff-JT(Job Training)が中心だったといえます。Off-JTは、体系的な知識やスキルの習得及びそれらの汎用的な整理がし易く、土台つくりという点では優れています。しかし、実社会においては、Off-JTで身に着けた知識や土台がそのまま使えるわけではなく、それらを適切に応用するための能力が別途必要でした。そういった能力を養成するための教育プログラムが、この組み込み技術キャンパスOJT(On the Job Training)であり、これまでの大学教育の穴を埋める画期的なものです。企業の第一線で活躍しているエンジニアで構成された講師陣との連携の下、すでに10年以上の実施実績があり、社会的にも高く評価されています。それゆえ、ぜひ一人でも多くの学生が、従来の大学カリキュラム(Off-JT)と併せてこの組み込み技術キャンパスOJTを受講し、総合的な実践力を備えた技術者、研究者として育ってくれることを期待しています。

未来を切り拓く

知識情報・図書館学類長 歳森 敦

筑波大学情報学群 知識情報・図書館学類
知識情報・図書館学類長 呑海 沙織

知識情報・図書館学類生は、2015年度から、組み込み技術キャンパスOJTに参加しています。受講生からの授業内容や学習環境についての評価はたいへん高く、「業界の第一線で活躍している講師陣から直接指導を受け、大学では学ばない最前線の知識が獲得できた」「他学類の優秀な学生との繋がりが得られた」といった声が寄せられています。

日本が先導的役割を果たす組み込み技術は、DX(デジタルトランスフォーメーション)というコンテクストにおいて、ますます重要になっていくと考えられます。優れた講師陣による実践的組み込み技術教育としてこのプログラムは、選ばれた受講者とともに学ぶことによって、またとないスキルアップの機会となるばかりでなく、自らを磨くチャンスとなるでしょう。

知識情報・図書館学類では、知識と情報の力で、社会を支え、切り開く知識情報のスペシャリストを育てることを目指しています。ひとりでも多くの知識情報・図書館学類生が、このプログラムに取り組むことによって、未来を切り拓く知識情報のスペシャリストになることを期待しています。

協力企業からのメッセージ 

開発現場を想定した実践的教育プログラム

代表取締役会長 筑波大学客員教授 松浦 一教

株式会社アクセル
代表取締役会長 筑波大学客員教授 松浦 一教

私は2009年度から開始したCOJTハードウェアコースで通年で講師を務めました。

テーマはどういうものが良いか、どうしたら楽しく取り組んでもらえるかなどいろいろ悩みましたが、実際の開発現場を想定して自主性を最重要視し、出来るだけ自分で決められるように課題(グラフィックスLSIの設計)を設定しました。

正直不安もありましたが、12名の学生全員が最後まで挫折せずに課題をクリアし、成果発表会で自分で作ったものを自慢げに活き活きと説明している姿を見たときは「やって良かった!」「間違ってなかった!」と確信しました。学生も相当な努力が必要だったと思いますが、LSI設計を通して実際の開発現場を体験できたこと、完成させたときの達成感を味わえたことは今後どのような職種に就いてもプラスになると思います。

ソフトウェア開発はPCがあれば手軽にできますが、ハードウェア開発は高価な機材が必要なのでなかなか手軽に始められません。そんな贅沢な環境がCOJTには揃っています。ここまで充実した実践的な教育プログラムはなかなかないと思います。是非体験してみてください。

モノ作りの楽しみ

元会長 (故)赤堀 雅行

株式会社エクステージ
元会長 (故)赤堀 雅行

みなさん、モノを作った事がありますか?設計図があったり、だれかが作ったものを真似てみたり・・・そういうモノ作りでは無く、何もないところから一つずつ積み上げて作り上げる!本当のモノ作り。作っては壊し、そしてまた作る。そうして作り上げてもまだ納得がいかない。だから、「次回は!」「今度こそは!!」の思いが自分をも成長させていく。これがモノ作りの楽しさであり醍醐味だと思います。

ハードウェアであってもソフトウェアであってもそれは変わりません。そして、技術力や知識だけがあっても決して良いモノ作りは出来ません。自由な発想と想像力があって初めて持てる技術や知識が活かせ、結果、良いモノ作りが出来るのです。

「こうしたら、どうなるだろ?」「こうしたほうが、いいかも!」チャレンジ精神を忘れずに、この体験を通してモノ作りの楽しさ、魅力を感じ取ってもらえればと思います。

(赤堀様は、2022年9月1日、逝去されました。)

自由な創造性と実現力の架け橋となるプログラム

代表取締役社長 成島 啓

株式会社セルシス
代表取締役社長 成島 啓

グラフィックアプリケーションには、様々な新しい発想と技術が詰め込まれています。ペンやブラシの書き味を追求することはもちろん、3D機能やクラウドを利用したチーム制作機能など、いくつもの機能を効果的に組み合わせることで、ユーザーにとって良いものになっていきます。ユーザーの期待に応えるためには、情報感度の高さと独創的なアイディアが求められます。

株式会社セルシスは、「クリエイションで夢中を広げよう」をモットーに、クリエイションを通じた多彩な体験を楽しんでいただけるよう支援を続けており、その対象はクリエイターだけではありません。これから技術者や研究者となっていく学生の皆さんへのサポートも積極的に行っています。

学生の皆さんがCOJTによって得られる経験は、今後社会へ進出する際の大きな糧となるでしょう。この環境を最大限に活用し、失敗を恐れずに挑戦していただけることを期待しています。

自分の想いを技術に実装する

代表取締役社長兼CEO 井出 信孝

株式会社ワコム
代表取締役社長兼CEO 井出 信孝

ユーザーの心を打つプロダクトやサービスは、単なる効率化や利便性のみを追求したり、スタイリッシュなものを追求するだけでは開発することはできないと思います。価値を届けたい実際のユーザーの顔を思い浮かべながら、どんな体験の旅を創ったらいいかを考え抜いて、トライ&エラーを繰り返しながら、技術を磨いていく。最後はその想いの強さがユーザーにしっかりと伝わるんだと思います。

その強い想いを技術に実装していくためには、基本技術を学ぶことに加えて、様々な角度から課題に挑戦していく際に必要な「発想力」や「着眼点の持ち方」みたいなものを鍛えていくことが重要になりますが、このCOJTのプログラムで是非色々なカテゴリの実践的な課題に対峙しながら、皆さんの将来に役立つ経験を培って頂ければと思います。応援しています!